植物分類学において、両者は共にイネ科タケ亜科の分類に属する極めて近縁なグループです。しかし、木本性(木のような性質)の強さや成長速度、構造には顕著な差が存在します。特に竹と笹の幹の太さと最大樹高の違いは圧倒的であり、竹が高さ10〜20メートル超、直径10センチメートル以上に達する巨大な木本植物の様相を呈するのに対し、笹の多くは高さ1〜3メートル程度、直径も数ミリから1センチメートル前後の草本に近い姿を保ちます。
日本を代表する種であるモウソウチクとマダケとクマザサを比較すると、モウソウチクは最大樹高20メートルを超え、タケノコは肉厚でえぐみが少なく食用として広く流通しています。マダケは弾力性に優れ竹細工の材料として重宝され、一方のクマザサは冬場に葉の縁が白く隈取られる美しい低木性種で、薬用茶や庭園の下草として利用されてきました。
また、春の味覚におけるタケノコと笹の子の違いも見逃せません。一般的なタケノコ(主にモウソウチクやマダケの新芽)はずっしりとした円錐形で皮に細毛が生えているのに対し、東北や信越地方で親しまれる「根曲がり竹」に代表される笹の子(チシマザサの新芽)は、細長くアスパラガスのような形状をしており、独特の甘みとシャキシャキした歯ごたえが特徴です。