城戸誠と対峙する刑事・山下を演じた菅原文太の存在も忘れてはならない。彼は国家の秩序を守る側の人間でありながら、その内面に城戸と同じか、それ以上の狂気と執念を秘めている。昭和の二大アイコンによる、文字通りの肉弾戦と精神の削り合いは、スクリーンが燃え上がるほどの熱量だ。
ヘリコプターにしがみつき、皇居周辺を疾走し、東京の街を文字通り破壊していくアクションシーンの数々。これらがすべて、CGなしの実写で撮影されたという事実自体が、現代の映画製作の基準から見れば信じがたい奇跡である。規制だらけの現代社会では不可能な、昭和という時代の「無法地帯的なパワー」が、画面の端々から溢れ出している。