近年、日本のコメディアンが海外のオーディション番組で喝采を浴びるケースが増えている。言葉の壁を越えるノンバーバル(非言語)な笑いにおいて、表情の豊かさは何よりも重要だ。劇場や広いスタジオの最後列からでも、彼女が今どんな顔をしているのかが瞬時に伝わる。
この「視認性の高さ」は、舞台芸術において極めて重要な要素だ。歌舞伎の隈取や古代ギリシャ劇の仮面がそうであるように、感情を大きく見せることは、観客との距離を縮める古典的かつ最強の手法である。彼女の顔のサイズは、現代のテクノロジーや精細なカメラワークすら不要にするほどの、天然の「ズームレンズ」なのだ。