静岡の気象を語る上で決して外せないのが、標高3776メートルを誇る富士山と、水深2500メートルに達する深海・駿河湾の存在だ。この極端な高低差が生み出す地形効果は、地域独特の局地風や集中的な強雨を引き起こす巨大なエンジンとして機能する。
駿河湾から吹き込む湿った海風が富士山や愛鷹山の斜面に衝突すると、強烈な上昇気流が発生する。これが局地的な積乱雲の発達を促し、短時間で河川の水位を跳ね上げる局地的大雨をもたらすのだ。沿岸の港町から山間部の温泉街まで、わずか数キロメートルの距離で天候が豹変する背景には、この地形的メカニズムが存在している。