カリフォルニアの強烈な陽光が降り注ぐロサンゼルス。ニューヨークで過ごした濃密な準備期間を経て、彼がこの地を選んだ理由は極めて明快だ。世界のエンターテインメントの心臓部であるハリウッド映画産業の空気を肌で吸い、その巨大なエコシステムの中に飛び込むためである。
日本での輝かしいキャリアや知名度は、現地のオーディション会場では一切通用しない。完全な新人として扱われる環境に、彼はむしろ心地よさを見出していた。言葉の壁は依然として厚い。しかし、身振り手振りと表情、そして生まれ持った天性の愛嬌を武器に、現地のアクターズスタジオやコメディのワークショップへと飛び込み続けた。
近年では、Netflixをはじめとする大手ストリーミングプラットフォームの台頭により、キャスティングの多様性がかつてないほど広がっている。アジア系俳優やコメディアンへの需要が高まるなか、彼もまたグローバル配信作品やインディペンデント映画のオーディションへ果敢にアプローチを重ねてきた。周囲が嘲笑しようとも、当の本人は至って大真面目にレッドカーペットを見据えている。