「図書館殺人事件」の真骨頂は、オカルト的なホラー演出にとどまらず、本格ミステリーとしての論理的なパズルが見事に成立している点にあります。その核となったのが、行方不明となっていた職員・玉田さん(玉田和男)の遺体を隠蔽したエレベーターの死体トリックです。
警察の徹底した捜索にもかかわらず、館内から一切の手がかりが見つからなかった玉田さんの遺体。コナンはエレベーターの「重量感知システム」の不可解な挙動から真相を見抜きます。定員7名(積載重量換算で大人約450kg相当)のエレベーターに、子ども4人(コナン、歩美、光彦、元太)と大人1人(津川館長)が乗った際、本来であれば重量制限に達しないはずであるにもかかわらず、ブザーが鳴り響いたのです。
夜間にエレベーターの扉を手動でこじ開け、カゴを下の階へ下げた瞬間、暗闇のシャフトから「天井に乗せられていた玉田さんの遺体」がゆっくりと目の前に現れるシークエンスは、推理の爽快感を一瞬で恐怖へと反転させる名シーンです。エレベーターという日常的な昇降機が、死体を運ぶ棺桶と化していたという残酷な真実が、物語の緊張感を最高潮へと押し上げました。