ネット上の掲示板やSNSでは、「生成AIでレポートを一瞬で仕上げたがバレなかった」「提出翌日に教授の研究室に呼び出された」という相反する体験談が飛び交っています。実際のところ、大学教員はどのようにしてAI作成レポートを見抜いているのでしょうか。
現在、多くの大学で導入されている剽窃チェックツール(Turnitinなど)にはAI検知機能が組み込まれています。しかし、英語圏に比べて日本語の構文解析におけるAI検出率は完全ではなく、誤検知(フォールスポジティブ)のリスクを避けるため、大学側も「検知ツールのスコアだけを理由に即座に不合格にする」運用は避ける傾向にあります。教員が不正を確信する決定打は、ツールの数値ではなく人間ならではの違和感と検証にあります。
都内の難関私立大学で社会科学系の講義を担当する准教授は、現場の生々しい実態を次のように明かします。
「講義で一度も触れていない専門用語が不自然に整った文脈で並んでいたり、段落ごとの論理展開があまりにも紋切り型で起承転結が均一すぎたりする場合、一読して強い違和感を抱きます。最も致命的なのは文献チェックです。AIがもっともらしく捏造した『存在しない論文名や架空の書籍』が参考文献リストに平然と記載されているケースが後を絶ちません。教員がその書誌データをCiNiiや国立国会図書館のデータベースで検索すれば、わずか10秒で捏造が判明します」
さらに現場で増えているのが、AI疑惑のある学生に対する「抜き打ちの口頭試問」です。「この段落で述べている〇〇という概念について、自分の言葉で3分間で説明してください」と教員から問われた瞬間、AIに丸投げしていた学生は一言も返答できず、不正を自白せざるを得ない状況に追い込まれます。ネット上で囁かれる「語尾を少し変えればバレない」といった小手先の偽装工作は、専門知識を持つ教員の scrutiny(精査)の前では極めて脆弱であるのが現実です。