ふたりの原点を振り返るとき、外せないのが東宝配給の名作群だ。劇団ひとりのベストセラー小説を映画化した『陰日向に咲く』での初共演、そして本屋大賞受賞作を滝田洋二郎監督が映画化した『天地明察』での再共演。これらの現場で培われたクリエイティブな共鳴こそが、互いへの深い信頼の礎となった。
特に『天地明察』において、日本独自の暦作りに命を捧げた安井算哲(岡田)と、それを静かに、だが揺るぎない覚悟で支え続けた妻・えん(宮崎)の姿は、観る者の胸を打った。フィクションの中で描かれた絆と魂の共鳴は、時を経てふたりの歩む現実の道筋とも重なり合う。互いの才能を誰よりも純粋に理解し、高め合う関係性は、この頃からすでに芽生えていたと言えるだろう。