調理師との違いは?厨房を支配するシェフの役割とリアルな実態

調理師との違いは?厨房を支配するシェフの役割とリアルな実態

調理師との違いは?厨房を支配するシェフの役割とリアルな実態の疑問点について、専門知識を詳しくお届けします。

シェフが絶対的な指揮官として君臨するシステムは、一朝一夕に生まれたものではない。そのルーツは19世紀末、近代フランス料理の父と呼ばれるオーギュスト・エスコフィエが確立した「ブリガード・ド・キュイジーヌ(厨房旅団)」にある。

軍隊の組織編制から着想を得たエスコフィエは、それまで無秩序で混乱を極めていた厨房に厳格な階級制度と分業体制を持ち込んだ。これにより、高級レストランのオペレーションは劇的な進化を遂げる。

頂点に立つ総料理長(シェフ・ド・キュイジーヌ)の下には、現場を取り仕切る副料理長(スーシェフ)が控える。その下で肉料理担当(ソーシエ)、魚料理担当(ポワソニエ)、焼き物担当(ロティスール)、冷菜担当(ガルド・マンジェ)、そしてデザートを統括するシェフ・パティシエといった部門責任者(シェフ・ド・パルティ)が持ち場を守り、若手のアシスタント(コミ)が下積みを支える。この完璧なピラミッド組織があるからこそ、複雑を極める現代のガストロノミーにおいても、ゲストへ均一で完成された一皿を瞬時に届けることができるのだ。

清水 千尋
Author

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。