今日の穏やかな風景からは想像もつかないが、この場所はかつて壊滅的な打撃を受けた歴史を持つ。1966年、猛烈な台風に伴う土石流が集落を襲い、かつての美しかった村は一瞬にして姿を消した。住民の避難に伴い、かつての集落は長らく歴史の表舞台から姿を消すこととなった。
転機が訪れたのは2000年代初頭だ。富士河口湖町(旧足和田村)と地域住民が手を取り合い、「根場茅葺き集落再生プロジェクト」を発足。かつてあった茅葺き民家の復元事業が本格的に始動した。単なる観光地の整備にとどまらず、地域の歴史的記憶と建築文化を未来へと継承するための情熱的な試みだった。数十年の時を経て蘇った西湖いやしの里根場は、災害の記憶を語り継ぐ象徴としても深い意味を持っている。