このコピペが広まる過程で切り離せないのが、「イキリト」という痛烈なネットスラングの定着です。「イキがる」と「キリト」を掛け合わせた造語であり、その元ネタや誕生背景には当時のオタクコミュニティの空気感が色濃く反映されています。
『ソードアート・オンライン』のキリトは、黒尽くめのロングコートを身に纏い、二刀流を駆使して単身で強敵に立ち向かう孤高の英雄です。作品内では文句なしに格好いい主人公ですが、現実世界でその立ち振る舞い(無口、気だるげな態度、前髪で目を隠す仕草など)を真似ると、周囲からは極めて滑稽に映ってしまいます。
SNS上で「リアルでSAOのキリトに似てると言われる」「裏ではハッカーをやっている」といった痛々しいアピールを繰り返すユーザーが続出し、彼らが総称して「イキリト」と呼ばれるようになりました。共感性羞恥を刺激する言動が、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の「なんJ(なんでも実況J)」やTwitterで格好の標的となり、嘲笑とパロディを伴って炎上・拡散していったのです。