南九州における金属資源の動向を語る上で欠かせないのが、臨海部のロジスティクス網だ。鹿児島港や志布志港などの主要港湾からは、日々膨大な量の鉄スクラップが船積みされ、国内外の大手電炉メーカーや製鉄所へ向けて搬出されている。国内の鉄鋼業にとっても、CO2排出量を大幅に削減できるスクラップ原料の確保は喫緊の課題だ。
こうした潮流は、大手鉄鋼メーカーの調達戦略にも直接影響を与えている。例えば日本製鉄株式会社をはじめとする国内鉄鋼大手は、脱炭素化に向けた「グリーンスチール」製造プロセスへのシフトを推進中だ。高炉から電炉への転換が進むにつれ、純度の高い高品質スクラップの奪い合いが激化。鹿児島から搬出される資材の価値も、かつてないほどに高まっている。