記者クラブ制度には、設立当初から主張されてきた一定の利点と、それを上回る構造的欠陥が混在しています。双方向から制度の評価を整理すると、現代の情報空間における歪みが浮き彫りになります。
主なメリット: 最大の利点は、災害時や大事件・事故が発生した際の「緊急情報の迅速な伝達」と、権力機関へ記者が常駐することによる一定の「日常的監視機能」です。一括して発表が行われるため、重大な行政情報が迅速に全国へ届くパイプラインとしての効率性は認められてきました。
主なデメリットと問題点: しかし、その弊害は極めて深刻です。最も批判されるのが、横並び取材によって各紙・各局が同じようなトーンで報じる「金太郎飴報道(発表報道)」の蔓延です。オフレコ取材(匿名を条件とした懇談)に依存するあまり、取材対象への忖度が働き、真の権力監視機能が失速するケースが後を絶ちません。また、クラブの取り決めに反した独自取材を行った社が取材制限を受けるといった「クラブ協定によるペナルティ」も、自由な取材活動を萎縮させる大きな要因となっています。