特に今年は、ハイブリッドワークから完全出社へと舵を切る企業が相次いだ。この「脱・リモート」の動きが、潜在的な患者たちを直撃している。自宅であれば、お腹が鳴ろうが誰にも気兼ねする必要はなかった。しかし、パーテーションのないオープンオフィスや、対面での長時間の会議が復活したことで、逃げ場のない緊張感が日常に戻ってきたのだ。
産業医の元には、「会議中に席を外せない」「静かなオフィスで仕事をするのが苦痛で退職を考えている」といった深刻な相談が寄せられている。デジタル化が進んだ一方で、物理的な空間の共有がもたらす心理的負荷は、かつてないほど高まっていると言える。