陶器市で有名な益子町だが、イベント時期を外した平日の益子は驚くほど静かで美しい。メインストリートの「城内坂」を通り過ぎ、農地が広がる里山エリアや小高い丘の上へと車を走らせると、若手作家からベテランの窯元までがひっそりと工房を構えている。
看板も出していないような隠れ家的なギャラリーでは、作陶家と直接言葉を交わしながら、自分だけの器を選ぶことができる。併設された小さなカフェで提供されるのは、地元の無農薬野菜をふんだんに使ったシンプルな料理と、その器に盛られた美しい一皿。手仕事の温もりに触れる時間は、日々の忙しさで磨耗した感性を優しく解きほぐしてくれる。