難関大に合格した先輩たちの手記や、大手掲示板・SNSに投稿された現役生のリアルな声を検証すると、成功例と失敗例には残酷なほどの対称性が見て取れます。
合格者の振り返りで共通しているのは、「結局、ボロボロになるまで使い倒した1冊が自信になった」という告白です。ある早稲田大学合格者は「高2の冬に買ったターゲット1900を毎日持ち歩き、カバーが破れてテープで補強するまで40周回した。単語帳の何ページ目の右上に載っていたかまで視覚的に思い出せるようになった瞬間、どんな長文も怖くなくなった」と手記に記しています。
一方で、浪人生や成績低迷者の体験談に頻出するのが「単語帳コレクター化」の罠です。シス単を半分ほど進めて飽き、ネットの評判を見てターゲットに乗り換え、さらに鉄壁が格好よく見えて購入する――。こうした学習者は、どの単語帳も最初の300語程度しか完璧になっておらず、最も重要な頻出語の後半でつまずいています。行動経済学における「サンクコスト効果」と「自己効力感の錯覚」が働き、参考書を買う行為そのもので勉強した気になってしまう心理的トラップには細心の注意が必要です。