この惨事を語る上で避けて通れないのが、マスメディアによる報道のあり方だ。日本テレビをはじめとする放送各局は、中州に取り残された人々が濁流に呑まれる瞬間を生中継、あるいは繰り返しニュースで放映した。お茶の間に届けられたその映像は、全国民に強烈なトラウマと衝撃を与えた。
その後、『奇跡体験!アンビリバボー』や『ザ!世界仰天ニュース』といったテレビ番組でドキュメンタリーとして取り上げられ、TVerでの配信やYouTube上のアーカイブ映像、Yahoo!ニュースの特集記事などを通じて、事故を知らない若い世代にも記憶が継承されている。映像が生々しすぎたがゆえに、視聴者の怒りとバッシングは過熱した。現代の事件・事故報道において、ショッキングな映像の扱い方や被害者・生存者の人権保護、そして視聴者への心理的影響をどうコントロールすべきかという議論は、まさにこの玄倉川の現場から本格化したといえる。