受験生や保護者にとって見逃せないのが、近年の志願倍率の推移です。東京都教育委員会が発表した直近の一般入試応募状況において、葛西南高校の一般倍率は0.79倍を記録し、定員割れの状況が生じています。
なぜ葛西南高校で定員割れが発生しているのか。教育ジャーナリズムの視点から分析すると、以下の3つの構造的要因が浮かび上がってきます。
第1に、東京都の私立高校授業料実質無償化の所得制限撤廃が挙げられます。以前であれば「経済的な理由から公立の下位〜中堅校を選ばざるを得なかった」中間所得層の受験生が、施設や指定校推薦枠が充実した私立の併願優遇校へと一斉に流出しました。
第2に、近隣交通アクセスの物理的要因です。葛西南高校は東京メトロ東西線「葛西駅」からバスで約10〜15分、あるいはJR京葉線「葛西臨海公園駅」から徒歩・自転車通学という立地にあります。駅直結や徒歩数分の高校に比べ、毎日の通学利便性で敬遠されるケースが少なからず見られます。
第3に、周辺都立高校との志願者分散です。城東・江戸川エリアには南葛飾高校や篠崎高校、小岩高校など多様な選択肢が存在し、少し上の学力層がチャレンジを回避して他校に流れる傾向が倍率低下を後押ししています。
ただし、定員割れ=全員無条件合格という短絡的な認識は禁物です。面接や学力検査で極端に不誠実な態度を見せたり、白紙答案を出したりした場合は足切りの対象となり得ます。丁寧な入試準備を怠らない姿勢が不可欠です。