東京都立新宿高等学校における衣服の規定は、一般的な高校の「制服着用義務」とは根本から異なる。同校が採用しているのは「標準服」という制度だ。入学式や卒業式、開校記念日、外部の来客を迎える公式行事では標準服の着用が求められるものの、平常の授業日は私服での登校が全面的に認められている。
現役生徒たちに話を聞くと、その着こなしは季節やスケジュールに応じて驚くほど柔軟に使い分けられていた。部活動の朝練がある日は動きやすいスポーツウェアで登校し、放課後に予備校や図書館へ直行する日は落ち着いたカジュアル服を選ぶ。一方で、「毎朝の服選びに時間をかけたくない」「気持ちが引き締まる」という理由から、あえて日常的に標準服のブレザーやスラックス、スカートを愛用する生徒も少なくない。
校則による過度な頭髪指導や持ち物検査はなく、生徒自らが場をわきまえた服装を判断する「自己規律」が生徒手帳の枠組みを超えて根付いている。華美になりすぎず、かつ窮屈さを感じさせない絶妙なバランス感覚こそ、新宿高生が誇るスマートさの源泉といえる。