「卒業証書を紛失してしまったので、母校に頼んで再発行してもらいたい」と問い合わせる卒業生が後を絶ちません。しかし、日本の教育制度において、卒業証書再発行できない理由は法的な根拠と歴史的背景に根ざしています。
学校教育法施行規則において、卒業証書は「その教育課程を修了した特定の時点において、その当時の学校長が授与する行政的行為」と解釈されています。年月が経過した後に再発行を試みても、当時の学校長は退任または他界しており、卒業式という儀礼空間を再現することは不可能です。現在の校長名で過去の日付の卒業証書を発行することは、公文書偽造に類する重大な背信行為になりかねないため、全国どの学校であっても卒業証書の再発行には絶対に応じません。
では、紛失した場合はどう対処すべきでしょうか。卒業証書紛失時の対処法は極めてシンプルです。公的な手続きにおいて卒業証書そのものを要求される場面は存在しないため、学校に対して卒業証明書再発行を申請すれば、すべての法的手続きや就職手続きにおいて全く同じ法的証明力を発揮します。学校側も証書の再発行は拒否しますが、「卒業証明書」または学校によっては「卒業証書授与証明書」という代替文書を滞りなく交付してくれます。