ネット上の情報では「オキアミ」「アオイソメ」「イカ短冊」など様々なエサが推奨されていますが、現場の取材検証で見えてきた決定的な事実は、「伊勢海老は視覚ではなく、圧倒的な嗅覚と味覚受容体でエサを捕捉している」という点です。視界が効かない夜間の暗黒テトラ穴の中で、いかに広範囲へ集魚成分を拡散できるかが釣果の明暗を分けます。
現場釣師の間で「最強の特効エサ」として揺るぎない支持を集めているのが、「サンマの切り身(塩締め)」と「生キビナゴ」です。サンマはたっぷりと脂を含んだ身を細短冊状(幅7mm×長さ3cm程度)にカットし、大量のアミノ酸配合塩で余分な水分を抜いて締めたものを用います。塩締めすることで身持ちが劇的に向上し、小さなフグやカニなどのエサ取りに突かれても針に残り続けるタフネスさを獲得します。
もう一つの切り札であるキビナゴは、ハサミで頭を落として内臓を露出させた状態で針掛けします。流れ出た内臓のエキスが潮流に乗って穴の奥深くまで浸透し、巣穴から出てこない警戒心の強い大型個体を強烈に誘い出すトリガーとなります。また、エサ持ちを最優先するシーンでは、アミノ酸液に漬け込んだ「イカの塩辛」や「サバの皮付き切り身」も極めて有効です。