植え付け当日に土を耕して種芋を埋めるだけでは、安定した収穫は望めません。事前に適切な準備を整えることで、発芽の揃いと根張りが格段に向上します。
■ じゃがいも土作りの時期とpH調整
土作りは、植え付けの2〜3週間前に開始します。ここで最も注意すべきは「土壌酸度(pH)」です。一般的な野菜は中性(pH6.5前後)を好みますが、じゃがいもは弱酸性(pH5.5〜6.0)を好みます。
石灰資材を入れすぎてアルカリ性に傾くと、皮の表面がカサぶた状になる「そうか病」が激発します。苦土石灰を入れる場合は1㎡あたり30〜50g程度にとどめ、完熟たい肥と元肥(NPK等量型、または芋専用肥料)をしっかりすき込んで土を寝かせておきます。
■ 種芋の芽出し方法(浴光育芽)
植え付けの2〜3週間前から、種芋を日光に当てて太く丈夫な芽を育てる「浴光育芽(よくこういくが)」を行います。
- 手順1:種芋をトレイなどに重ならないように並べ、日中の直射日光(15℃〜20℃前後)が当たる窓辺やハウス内に置く。
- 手順2:夜間の凍結を防ぎながら、紫〜緑色の硬く締まった芽を2〜3ミリ伸ばす。
- メリット:徒長した白い芽と異なり、植え付け後の初期生育が早まり、地中の冷えによる腐敗リスクを最小限に抑えられます。
なお、春植えで1個あたり50g以上ある大きな種芋は、植え付けの2〜3日前に清潔な包丁で「芽の数が均等になるよう」縦半分にカットします。切り口を風通しの良い日陰で乾かしてコルク層を形成させるか、草木灰や専用の保護剤を薄く塗布してから植え付けましょう。秋植えは腐敗しやすいため、切らずに丸ごと植えるのが鉄則です。