2026年11月、東京ビッグサイト。数十万人の熱気に包まれた「デザインフェスタ」の会場で、異変は静かに始まっていた。購入者が自宅に持ち帰り、袋を開けた瞬間に広がったのは、焼き菓子特有の香ばしい匂いではなく、酸鼻を極める腐敗臭だった。
「生地が糸を引いている」「一口食べて吐き出した」「子供が激しい腹痛で夜間に救急搬送された」。X(旧Twitter)には、惨状を告げる投稿が怒涛のように押し寄せた。保健所の即座の立ち入り調査により、最高リスク区分(CLASS 1)に相当する回収事案に指定。事態の深刻さは、全国ニュースのトップ項目へと一気に駆け上がった。