かつて日本のインド料理店といえば、どこに入っても同じようなオレンジ色のドレッシングがかかったサラダと、顔より大きい焼き立てのナンが出てくるのがお決まりだった。だが、2026年の現場は一変している。今、グルメたちの熱い視線を集めているのは、インド全28州それぞれの風土に根ざした「地域限定メニュー」だ。
特に北インドの濃厚な宮廷料理(モーグライ料理)と、南インドの米と豆をベースにしたヘルシーな料理の違いを理解して店を選ぶ人が増えた。東京・八重洲や大阪・梅田といったオフィス街だけでなく、郊外の住宅街に突如として「ベンガル地方の魚介カレー専門店」や「ゴア州の酸味効いたポークヴィンダルー専門店」がオープンする現象が相次いでいる。一歩店内に足を踏み入れれば、そこはもうデリーやチェンナイのローカル食堂そのものだ。