なぜシワが不自然?プロが教えるシャツの描き方「引っ張りの法則」徹底解説の背景について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。
ひとくちに「シャツ」と言っても、カジュアルなカットソー(Tシャツ)と、テーラードの系譜を引くワイシャツ(ドレスシャツ)では、使われている生地の織り方と型紙の構造が根本から異なります。この違いを理解せずに同じ筆致で描いてしまうと、素材特有のキャラクター性が損なわれます。
Tシャツとワイシャツの違いを把握するために、作画時に意識すべき要点を比較データとして整理しました。
項目ワイシャツ(布帛 / 織物)Tシャツ(ニット / 編物)編集部の作画指導・評価基準生地の伸縮性と硬さ伸縮性が低く、ハリ・コシが強い(綿・ポリエステル混紡)全方向に伸びやすく、肌馴染みが良い(天竺編み等)ワイシャツは角張った山谷、Tシャツは滑らかな曲線を基本とするシワのエッジ・稜線エッジがシャープ。折れ目の線が明確に出やすいソフトで丸みがある。陰影のグラデーションが広め服のシワ 陰影のつけ方で明暗境界線(ターミネーター)のボケ幅を変えるシワの本数と密度大柄で大胆なシワ。余白が美しく残る細かいシワが体に沿って密に発生しやすいワイシャツに細かすぎるシワを描くと「くしゃくしゃの古着」に見えるため抑制が必要縫製構造の特徴台襟、前立て、ヨーク(背中の切り替え)、カフスリブ襟、セットインスリーブ、筒状の胴回りイラスト 服の立体感と厚みはパーツごとの「縫い代の段差」描写で決まる
このように、ワイシャツを描く際は「張りのある紙を円柱に巻き付けたときのような直線的な折れ曲がり」をイメージし、Tシャツを描く際は「ゴムのように伸び縮みして人体の曲面に追従するライン」を意識することが、素材の描き分けにおける決定的な基礎となります。