三毛猫を描く上で、ストーリーテリングのフックとして極めて強力なのが「性別」にまつわる設定です。猫の毛色を決める遺伝子のうち、オレンジ色を発現させる遺伝子はX染色体に存在します。メス猫は「XX」の染色体を持つため黒とオレンジを同時に発現できますが、通常のオス猫は「XY」であるため、黒かオレンジのどちらか一方しか持てず、基本的に三毛猫にはなり得ません。
染色体異常(クラインフェルター症候群など)によってオスの三毛猫が誕生する確率は、統計上わずか約3万分の1と言われています。この天文学的な希少性から、古来日本ではオスの三毛猫を乗せた船は絶対に沈まないと信じられ、航海安全の守り神として高値で取引された歴史があります。また、招き猫のモデルとしてもオスの三毛猫は金運・商売繁盛の最高峰の象徴と位置づけられています。
キャラクター設定やプロモーションの差別化としてオス三毛猫イラストを制作する場合、通常の愛らしいメス猫の記号(丸みを帯びたフォルムや大きな瞳)に加えて、太い前足、幅の広い鼻梁、堂々とした立ち姿を描き分けることで、男らしさと福を呼ぶ神聖さを同居させた特別なアイコンへと昇華させることが可能です。