猛暑の限界値を超え続ける近年の夏。アスファルトとコンクリートが昼間の熱を溜め込み、夜間も冷めない都市熱島現象は、人々の生存環境を脅かしてきた。エアコンの室外機がさらに街を温める負のループ。そこに風穴を開けたのが、高密度な都市林の存在だ。
都心部の実証エリアで計測されたデータは、環境関係者を唸らせた。高層ビルの低層部から屋上にかけて立体的に緑を配置した区画では、周囲の従来街区と比較して地表の表面温度が最大で7度以上下落。風が木々の葉を揺らす際に生じる気化熱と日陰の創出が、巨大な天然の冷却装置として機能している。都市を冷ます決定打は、技術の粋を集めた人工物ではなく、生命そのものだった。