星組の最大の強みは、劇団の枠組みすら更新してしまう演目選定と、それを具現化する圧倒的な突破力にある。世界的大ヒット映画を舞台化した『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』で見せた超高速の「ナートゥダンス」は、ミュージカルの歴史に刻まれるべき伝説的シーンとなった。息つく暇もない激しいステップを笑顔で踏み抜く組子たちのタフネスは、観客の度肝を抜いた。
一方で、三谷幸喜監督の名作政界コメディ『記憶にございません!』の舞台化では、宝塚の様式美と緻密なコメディの間合いを見事なバランスで融合させた。シリアスから痛快な喜劇まで、ジャンルの境界線を軽やかに飛び越えてみせる柔軟性。これこそが、単なるレビュー劇団にとどまらない、現代の舞台芸術の最前線を走る星組の真骨頂である。