興福寺阿修羅像が秘めた衝撃の真実!最新調査で見えた憂いの正体

興福寺阿修羅像が秘めた衝撃の真実!最新調査で見えた憂いの正体

興福寺阿修羅像が秘めた衝撃の真実!最新調査で見えた憂いの正体に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。

この前代未聞の造形を指示したのは誰だったのか。歴史の糸を手繰ると、天平の栄華の陰で激動の権力闘争に身を投じた光明皇后の存在が浮かび上がる。最愛の皇子であった基皇子を生後わずか一年足らずで亡くし、さらにその死をめぐる政争から長屋王の変という血塗られた粛清劇を経験した彼女の心は、癒えることのない悲嘆に苛まれていた。夫である聖武天皇もまた、相次ぐ天災や疫病の流行に国家の危機を感じ、激しい精神的重圧に喘いでいた時代である。

亡き母・橘三千代の一周忌に際し、光明皇后が興福寺西金堂に造立させたのが、阿修羅を含む乾漆八部衆立像であった。権力闘争の果てに命を落とした政敵への鎮魂、我が子を失った果てしない絶望、そして国家の安寧。怒りと憎しみの連鎖を断ち切り、慈悲と悔恨によって魂を浄化したいという皇后の痛切な叫びが、天平の工人たちに「怒りを捨て、憂いに沈む阿修羅」という唯一無二の傑作を彫り上げさせたのだ。

小林 直樹
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小林 直樹

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