グレープフルーツをシロップにする際、最大の障壁となるのが「エグみ」と「強すぎる苦味」である。これらを完璧にコントロールし、澄んだ味わいに仕上げるための黄金比率は【果肉:氷砂糖=1:1】。同割の分量で仕込むことが、浸透圧を最大限に引き出し、果汁をムラなく抽出するための鉄則だ。
ここで大きな役割を果たすのが氷砂糖である。上白糖やグラニュー糖に比べて溶けるスピードが緩やかなため、果肉の細胞を急激に破壊せず、雑味を出さずにエキスだけをじわじわと引き出すことができる。さらに、仕込みの段階でひとつまみのクエン酸を加えるのがプロの裏技だ。クエン酸はシロップ全体の輪郭をキリッと引き締めるだけでなく、pH値を下げて雑菌の繁殖を抑え、長期保存における鮮度維持に絶大な威力を発揮する。