神経科学の研究が、パワーナレッジの有効性を裏付けている。
東京工業大学の認知神経科学研究室が2021年に発表した論文によれば、知識を実践的に使った直後の脳は、単に暗記した場合と比べて神経回路の結合が強化されることが分かった。fMRI画像で、前頭前野と海馬の連携が活発になっている様子が確認された。
この発見は重要な示唆を与える。私たちの脳は、使わない知識を「不要」と判断して忘却する。逆に、繰り返し実践で使う知識は長期記憶として定着しやすい。パワーナレッジは脳の自然な学習メカニズムに沿った手法なのだ。
ストレスと学習効率の関係
興味深いことに、適度な「認知的負荷」が学習効果を高めることも分かっている。簡単すぎる課題では脳が活性化しないが、難しすぎるとストレスで学習が阻害される。
パワーナレッジでは、学習者の現在のレベルより少し難しい課題に取り組ませる「最近接発達領域」の考え方を重視する。心理学者ヴィゴツキーが提唱したこの概念は、現代の企業研修にも応用されている。