原作漫画を読み返すと、思わず背筋が凍りつくようなブラックユーモアやシュールリアリズムに出会う。「独裁スイッチ」や「人間製造機」に代表されるエピソードでは、人間の欲望や独占欲、排他性が容赦なく暴き出される。
笑いと恐怖は紙一重だ。日常のすぐ隣にある狂気を描く手腕において、著者の右に出る者はいない。「すこし・不思議(SF)」という言葉の裏には、人間社会の暗部をポップなイラストで包み込んだ劇薬が仕込まれている。子供には爆笑のギャグとして届き、大人には刺さる諷刺として機能する二重の構造が、作品の息の長さを支えている。