物語の始まりは、12歳の少女・水瀬杏が母の美和子とともに、母の故郷である島根県仁摩町へやってくるところから幕を開けます。東京での生活に疲れ果てた母は、やがて幼い杏を残して自ら命を絶ってしまいました。深い絶望と孤独の淵に突き落とされた杏。そんな彼女の心を救ったのが、同い年の真っ直ぐな少年・北村大悟でした。
仁摩サンドミュージアムで出会った大きな砂時計を前に、ふたりは「ずっと一緒におる」と誓い合います。しかし、成長とともに現れる試練は過酷でした。地主の息子である藤や、杏の腹違いの妹である椎香との複雑な四角関係、さらには東京と島根という遠距離の壁。杏の心に深く刻まれた「母を救えなかった」というトラウマは、成長して大人になった彼女の足元を何度もすくおうとします。