今年の山形市周辺における気象観測データは、従来の統計値を覆す数字を叩き出している。特に2月下旬から3月にかけての気温推移は凄まじい。早朝の最低気温が氷点下近くまで冷え込んだかと思えば、正午過ぎには20度近くまで跳ね上がる日が相次いだ。この現象の背景にあるのは、フェーン現象を伴う南からの暖気の流れ込みと、山形盆地が持つ独特の「熱がこもりやすく冷え込みやすい」地形的特性だ。
地元で暮らす40代の男性は、「長年住んでいるが、ここまで1日のなかで季節が巻き戻ったり進んだりする感覚は記憶にない」と戸惑いを隠さない。街を行き交う人々を見ても、ダウンジャケットを着込んだ人と袖をまくり上げたシャツ姿の人が交錯する不思議な光景が広がっている。