気象解説の第一人者である気象予報士の森田正光氏は、今回の大気状態について「過去の猛暑年と比較しても、高気圧の勢力配置が極めて強固で異常な持続性を持っている」と分析する。特に注目すべきは、大陸から大きく東へ張り出したチベット高気圧の張り出しの強さだ。
「太平洋高気圧の上にチベット高気圧がまるで分厚い毛布のように重なることで、上昇気流が完全に押さえ込まれます。雲が発達できず、強烈な直射日光が遮られることなく大地を焼き続けるのです」と森田氏は指摘する。通常であれば周期的に通過するはずの低気圧や前線が完全に北へ押し上げられ、列島上空の空気の入れ替えが起きない。
さらに森田氏は、日本の南東沖で発生する対流活動が北太平洋高気圧の縁辺流を強め、熱帯由来の極めて高温多湿な空気を日本列島へダイレクトに送り込む「ポンプ役」を果たしている構造を解説する。大気の立体的なブロック現象が解消されない限り、劇的な気温低下は見込みにくいという厳しい見立てだ。