敷地に足を踏み入れると、まず肌で感じるのがピンと張り詰めた厳かな気配だ。祀られている東郷平八郎といえば、日露戦争の日本海海戦において圧倒的な戦果を収めた世界的名将。司馬遼太郎の歴史小説『坂の上の雲』の主人公の一人としても広く親しまれている。この卓越した勝負強さから、東郷神社は現在「勝利の神」「至誠の神」として国内外から多くの参拝者を集めている。
隣接する明治神宮の広大な森とともに、原宿という都市空間のなかにあって奇跡的に守られてきたこの鎮守の杜は、単なる式場以上の霊験あらたかな雰囲気を醸し出している。挙式を控えた新郎新婦にとって、人生という航海へ漕ぎ出す門出に「勝運」と「誠の心」を授かる意義は極めて大きい。先人たちの歩みと祈りが折り重なる場所だからこそ、誓いの言葉ひとつひとつに嘘偽りのない重みが宿るのだ。