ナゴパイナップルパークの評判をリサーチすると、称賛の声と並んで「思っていたのと違った」「昔と変わってがっかりした」というネガティブな口コミに突き当たります。この評価の分断を消費者行動論の観点から掘り下げると、構造的な原因が浮かび上がってきます。最大の要因は、過去のイメージに対するアンカリング効果です。
かつて平成初期から中期にかけての同園は、観光バスが立ち寄るドライブインの色彩が強く、「パイナップルの試食が山盛りに置かれ、無料で食べ放題」「パイナップルワインが試飲し放題の巨大物産館」というパブリックイメージが定着していました。当時を記憶しているリピーターや、古いガイドブックの感覚で訪れた旅行者が、「無料試食コーナーの縮小(個包装の衛生管理型へ移行)」や「有料のカフェ・イートインモデルへの転換」に直面した際、強い心理的落差を覚え、それがネットの反応として「がっかり」という言葉に昇華されたのです。
現場観察を通じて確認できる現在の園内は、旧来の泥臭いドライブインではなく、世界観を重視した体験型ガーデンへと舵を切っています。パイナップルの歴史を学べるミュージアム要素、亜熱帯植物が茂る遊歩道、そして後述する恐竜エリアなど、空間価値そのものに対価を払う設計へと進化を遂げました。つまり、「無料でフルーツを腹一杯食べたい」という動機で訪れればミスマッチが生じますが、「沖縄らしい亜熱帯の非日常空間を家族やパートナーと体験したい」という目的であれば、極めて高水準な満足度が得られる構造になっています。