ノンタン裁判の真相|夫婦の泥沼著作権争いと最高裁が下した判決

ノンタン裁判の真相|夫婦の泥沼著作権争いと最高裁が下した判決

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法廷で最大の争点となったのは、大友氏が著作権法上の「共同著作者」(著作権法第2条1項12号:2人以上の者が共同して創作した著作物であって、各人の寄与を分離して個別的に利用することができないもの)に該当するかどうか、という点でした。

1998年3月、東京地方裁判所が下した一審判決は、出版界に大きな衝撃を与えます。東京地裁は大友氏の創作的寄与を一定程度認め、「大友氏もノンタンの共同著作者である」と判断。キヨノ氏側に対して損害賠償金などの支払いを命じる一部認容判決を下しました。夫婦時代の共同作業を実質的に著作権の共有と認めるこの判断に対し、自身の魂を削ってキャラクターを描き続けてきた自負を持つキヨノ氏側は猛反発し、即座に控訴します。

そして1999年11月、東京高等裁判所の控訴審判決で司法判断は180度覆ることとなりました。東京高裁は一審判決を取り消し、大友氏側の請求を全面的に棄却したのです。裁判所が示した判断の核心は、著作権法が保護する客観的な創作の境界線にありました。

東京高裁が示した主な判決理由は以下の通りです。

  • アイデアと表現の区別:「白い猫を主人公にする」「幼児の日常のわがままを描く」といったアイデアや着想を提供したり、大まかな助言・アドバイスを与えたりしたとしても、それは著作権法が保護する「創作的表現」そのものではない。
  • 具体的表現の主体:実際にキャンバスへキャラクターの形態、独自の輪郭線、愛嬌ある表情、リズミカルな台詞回しを定着させたのはキヨノサチコ氏自身であり、執筆の主体はキヨノ氏単独にある。
  • 補助的作業の限界:作画の手伝いや下絵への助言などを行っていたとしても、それは創作活動の「補助・協力」の範囲を出ず、共同して創作的表現をなし得た共同著作者とは評価できない。

大友氏は高裁判決を不服として最高裁判所に上告しましたが、2003年3月、最高裁判所第三小法廷は大友側の上告を棄却(不受理決定)。これにより東京高裁の判決が確定し、7年におよぶ熾烈な法廷闘争は、キヨノサチコ氏の完全勝訴という形で幕を閉じました。

中島 亮太
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中島 亮太

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