この大会のダイナミズムを語る上で欠かせないのが、審査システムの抜本的な変化である。初期の「準決勝敗退芸人による100人投票」から、松本人志を中心としたレジェンド審査員制への移行、そして近年の歴代王者たちが審査員席に並ぶ現行体制に至るまで、評価のモノサシ自体が大きな進化を遂げてきた。
審査員席で幾度となく繰り広げられたのは、「物語性と演技力の深さ」を重んじるのか、それとも「純粋なボケの手数と爆発力」を評価するのかという根本的な問いだ。わずか1点の差が数千万円規模の経済効果と芸人人生を左右するプレッシャーの中、審査員たちのコメントは単なる感想を超え、一種のコント批評として視聴者に受け止められてきた。
審査基準の洗練に伴い、出場者側の戦略も激変した。小道具の精緻さ、舞台照明や暗転のタイミング、さらには冒頭数秒で観客を劇空間へ引き込む導入のスピード感など、あらゆる要素が極限まで計算されるようになったのである。