青山がなぜ移動珈琲屋を営み、なぜ全国を転々としているのか。その理由は、彼の両腕に刻まれた消せない過去にある。かつて裏社会で「虎」と恐れられ、暴力に塗れた冷徹な日々を送っていた男が、なぜ一杯の珈琲に人生を救われるに至ったのか。
彼に珈琲の真髄を教えた恩人・たこ師匠との出会い、そして師匠が追い求めた幻の珈琲豆。青山が移動車で提供する珈琲は、恩人への追悼であり、自身の罪を贖うための巡礼の旅でもあった。穏やかな笑顔の裏で時折見せる冷え切った眼光、暴力の匂いを纏った俊敏な身のこなし。中村倫也が演じる青山のこの二面性こそが、視聴者を惹きつけてやまない最大の魔力だ。