日本における帰化選手の歴史を語る上で欠かせないのがサッカー界のレジェンド、ラモス瑠偉の存在だ。ブラジルから来日し、圧倒的なテクニックと闘争心で日本サッカーを黎明期から牽引した彼は、日本国籍を取得して代表の司令塔として君臨。「ドーハの悲劇」をはじめとする激闘を通じて、日本人が持つべきサッカーへの情熱を全身で体現した。
その後も呂比須ワグナーや三都主アレサンドロらがワールドカップの舞台で決定的な仕事を果たし、代表チームのステップアップに寄与してきた。国際サッカー連盟(FIFA)は近年、代表資格の変更に関するルールを厳格化しており、18歳以降にその国で最低5年間の継続居住実績が必要とされるなど、安易な帰化による代表資格取得を防ぐ措置を講じている。
北米3カ国で共催される2026 FIFAワールドカップに向けても、世界各国の代表チームで多重国籍やルーツを持つ選手の獲得競争は激しさを増す一方だ。日本サッカー界においても、ユース年代からの国際スカウティングを含めた包括的な強化戦略が求められている。