祇園甲部という日本屈指の花街を抱える花見小路通では、夕刻になると白塗り・日本髪の正装に身を包んだ舞妓や芸妓がお座敷へ向かう姿を見かけることがあります。彼女たちが通りを歩くメインの時間帯は、お座敷の準備が本格化する夕方17:30〜18:30頃、そしてお座敷の合間や帰宅時となる21:00〜22:00前後です。
しかし、この時間帯における観光客の行動が長年大きな社会問題となってきました。舞妓さんを取り囲んで進路を塞ぐ、カメラを至近距離で向ける、スマートフォンを差し出して自撮りを強要するといった行為は、地元協議会や警察からも極めて悪質とみなされています。彼女たちは観光モデルではなく、これから伝統芸能の仕事へ向かう職業人です。
現場で求められるマナーは極めてシンプルです。
- 触れない・引き止めない:高価な着物や帯に触れる行為、話しかけて歩みを止める行為は厳禁。
- 進路を譲る:歩行の邪魔にならないよう道の端に寄り、静かに見送る。
- 追いかけない:走って背後をつける行為は重大な迷惑行為とみなされる。
もし偶然すれ違った場合は、遠目から静かに会釈をしてその優美な立ち居振る舞いを目に焼き付けることこそが、歴史ある花街の文化に対する最大の敬意と言えます。