ハコフグはフグ目ハコフグ科に属し、本州中部以南の沿岸域、岩礁地帯やサンゴ礁の浅海を生息地としています。一般的な魚類が体をくねらせて高速遊泳するのに対し、ハコフグの骨格と甲羅は完全に一体化しており、体幹を曲げることができません。そのため、小さな背びれ、尻びれ、胸びれを忙しなく羽ばたかせるように動かし、器用にホバリングしながら泳ぎます。
テレビ番組でおなじみのタレント・さかなクンが被っているトレードマークの帽子のモデルも、このハコフグの成魚がモチーフになっています。青みがかった体表に散らばる小さな黒点と、角ばったユーモラスなフォルムが忠実に再現されています。
観賞魚市場で「黄色いサイコロ」「海の妖精」として爆発的な人気を博しているのは、ハコフグの本種ではなく、近縁種であるミナミハコフグの幼魚であることが大半です。
ミナミハコフグの幼魚は鮮やかなレモンイエローの体色に、黒いドット模様が散らばる姿をしています。これに対し、本種ハコフグの幼魚は黄色地に薄青い点や輪紋が入ることが多く、成長するにつれて茶褐色からオリーブ色へと変貌します。ミナミハコフグも成熟すると体長30〜40cm程度まで大型化し、鮮明な黄色は失われて青灰色の落ち着いた体色へと劇的に変化するため、愛好家の間では「成長後の姿を見据えた飼育プラン」が強く推奨されています。