結論から言えば、大妻女子大学は聖心女子大学や白百合女子大学のような「華族・旧家・富裕層の令嬢が集う伝統校」という枠組みとは成り立ちが異なります。それにもかかわらず、なぜ世間では「大妻女子大学はお金持ちの噂」が絶えないのでしょうか。その背景には、3つの明確な要因が存在します。
第1の要因は、千代田キャンパスが位置する東京都千代田区三番町という圧倒的なロケーションです。靖国神社や千鳥ヶ淵、各国大使館に隣接するこのエリアは、都内でも屈指の地価と歴史を誇る超一等地です。オフィス街と高級邸宅街が交差する街並みを整然と歩く学生たちの姿が、道行く人々に「育ちの良さそうな令嬢」という洗練された印象を与えています。
第2の要因は、創立者である大妻コタカが掲げた校訓「恥を知れ」に象徴される、礼儀作法や身だしなみを重んじる教育方針です。この校訓は「他人に後ろ指を指されるような卑しい行動をしてはならない」という自律の精神を説いたものですが、戦前・戦後の良妻賢母教育の歴史と結びつき、世間一般に「厳格で良家の子女を育てる規律ある学校」というイメージを定着させました。
第3に、大妻女子大学の家柄や親の年収に関する実態です。私立大学一般情報や各種家計調査の傾向を照合すると、学生の保護者の世帯年収は700万円〜1,200万円ゾーンが最も多く、決して「資産家や大企業オーナーばかり」というわけではありません。上場企業の会社員、公務員、教員など、堅実な職業に就く親世代が「安心して娘を預けられる環境」として選ぶケースが多く、結果として荒れた雰囲気のない「落ち着いた育ちの良さ」が醸成されているのが真実です。