日本列島の形を決定づけた最も劇的な現象、それが「日本海拡大運動」である。かつてユーラシア大陸と一体だった陸地は、約2000万年前から1500万年前にかけて突如として分裂を開始した。ただ平行に離れたわけではない。西南日本は時計回りに、東北日本は反時計回りに、まるで観音開きの扉のように大きく回転しながら太平洋側へと押し出されたのだ。
この激しい開裂によって生じた巨大な窪みに海水が流れ込み、形成されたのが現在の日本海である。海底に残された地磁気のパターンや古地磁気学のデータは、この移動が地球規模で見ても極めて高速かつ力強く進行したことを物語っている。陸地が裂け、新たな海が生まれる――まさに地球の皮膜が破れた瞬間の記憶が、日本海の海底深くに刻まれているのだ。