プラズマ団の本拠地である「Nの城」の深部に存在する「Nの部屋」は、シリーズ屈指のトラウマスポットおよび象徴的な伏線として知られています。重厚な城の雰囲気とは完全に乖離したその部屋には、スケートボード、ダーツ、バスケットゴール、レールトイなど、子ども向けの玩具が無造作に散乱しています。
部屋全体を包む不協和音混じりのオルゴールBGMも相まって、この空間は異様な狂気を放っています。青年へと成長したはずのNが、精神的には「子どものまま時間を止められていた」ことを如実に示す演出です。
外の世界を知らされず、限られた空間で玩具と傷ついたポケモンだけを与えられて育ったN。彼が口にする「トモダチ」という言葉の純粋さと脆さは、この部屋が物語る歪な監禁生活の延長線上にあったことが痛烈に伝わってきます。