『花ざかりの君たちへ〜イケメンパラダイス〜』における最大の功績の一つは、生田斗真という稀有な俳優の爆発的なコメディ表現力を全国区に知らしめたことだ。彼が演じた中津秀一は、明るく単純で感情豊かなムードメーカーでありながら、恋に対する切なさや思いやりを内に秘めた極めて立体的な人物だった。
少女漫画原作ならではのエキセントリックな世界観に対し、リアリティとコミカルさの絶妙な塩梅を保ち続けるのは容易ではない。しかし、彼は驚異的なテンポ感と表情の変幻自在さでキャラクターを完全に自分のものにした。視聴者を惹きつけたのは単なるイケメンぶりではなく、人間臭く愛おしい「生き様」そのものだったのだ。