谷川萌々子選手が世界最高峰の舞台で即座に通用し、別格の存在感を放つ背景には、現代サッカーが求める複数の特筆すべき要素が揃っている点にあります。彼女の強さを支える決定的な理由は主に3点です。
第1に、左右両足を遜色なく使える圧倒的なキック精度とシュート力です。中盤の深い位置から一瞬で局面を打開するロングフィードはもちろん、ペナルティエリア外からでもゴールを脅かす強烈なミドルシュートを左右どちらの足からでも放つことができます。相手守備陣にとっては守るべきコースを絞りにくく、極めて厄介な脅威となっています。
第2に、168cmの恵まれた体格を活かしたデュエルの強さと広い視野が挙げられます。従来のなでしこジャパンの選手が得意としてきたアジリティや細かいボールタッチに加え、欧州の屈強なフィジカルに対抗できる軸の強さを保持。プレッシャーを受けながらも前を向き、ピッチ全体を俯瞰して最適なパスコースを選択するゲームメイク力に長けています。
第3に、大舞台でも物怖じしない卓越したメンタリティと戦術眼です。攻守の切り替え(トランジション)における予測スピードが非常に速く、守備時にはインターセプトでピンチの芽を摘み、攻撃時にはスペースへ果敢に侵入します。長谷川唯選手ら経験豊富な先輩たちと組む中盤でも臆することなく指示を出し、試合のリズムを掌握できる精神的タフネスこそが彼女の真の強みです。