一聴すると、誰もが口ずさめる「ら・ら・ら」という明るいスキャットが印象的な本曲。だが、そのストーリーラインは実にほろ苦い。主人公が向き合っているのは、多忙なパートナーとの間に生じた静かな距離感だ。「今日も明日もあなたに会えない」というストレートな寂しさから始まり、物語が進むにつれて「恋愛」が「生活」や「仕事」の現実に押されていく過程が生々しく描写される。
特に印象的なのは、「テレビやラジオが言っているほど 誰の人生も楽じゃない」というフレーズだろう。希望に満ちたメッセージが溢れていた時代に対し、等身大の働く女性の本音をぶつけたこの一行は、当時のリスナーに強烈な共感をもたらした。若い頃の情熱的な恋から、現実を見つめる大人の関係への移行期を描いたこの歌詞は、決して幸福な結末を約束していない。だからこそ、今を生きる私たちの胸を打つのだ。