ここで、本作の熱狂を決定づけている中盤以降の展開とネタバレ解説に触れておこう。主人公が直面する最大の試練は、周囲の警察や同僚、さらには身内である家族にすら異変を悟られず、一人で事件の真犯人を追い詰めなければならない点にある。
エピソード3で何気なく映し出された壁の時計の歪み、エピソード5の会話の途中で登場人物が一瞬見せた視線の泳ぎ――これらすべての違和感が、終盤の巨大な伏線回収へと一気に繋がっていく。敵も味方も分からない暗闇の中で、主人公が自らの知略だけを頼りに真相を暴露していくプロセスは、観客に極上のカタルシスをもたらす。